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高森明勅
2020.8.20 06:00日々の出来事

「初孫」LINEスタンプ

私が携帯電話を使い始めたのは14年前。
世間よりはだいぶ遅い。

秋篠宮妃紀子殿下のご懐妊が明らかになり、いよいよご出産も近付いた頃、
テレビ朝日のスタッフから、特別番組を企画しているので、
急な出演依頼を受けて貰えるように、携帯を持って欲しい、と懇願された。

費用は全部、テレビ局が持つ、という話では全然なかったが、
これを機会に、思い切って“携帯”なる新しいツールを持つことにした。

それからガラパゴス携帯(ガラケー)などという、
いささか軽蔑的な言葉が生まれても、軽薄に新型携帯(スマートフォン)に
浮気することなく、在来型の携帯を(機種変更しながら)比較的最近まで
愛用していた。

しかし、身内と携帯会社の「アメとムチ」による攻勢を防ぐ術(すべ)がなく、
遂に“スマホ”の軍門に下った。
しかし、スマホにはLINE(ライン)という新機能が搭載されていた。
勿論、登録者は家族を含めて10名以内、と厳選している。

それにしても、便利。
私は普段、「便利は敵」というモットーで生活しているつもり。
だが、このLINEは恥ずかしながら活用している。
愛犬の豆太郎(ダックスフンド)と大福(柴犬)がわが家で安らかに
寝ている姿を写して、別に暮らしている長男や長女のもとにLINEで送ったり。
長女がシンガポールで暮らしていても、即座に届く。

LINEを使えば、国境を超えた娘との会話も自由にできる。
だから仕方なく活用することになってしまう。
最近は、長男から今年の3月に生まれたばかりの、わが初孫の写真や動画が毎日、
送られてくる。

遂に自力で寝返りが打てるようになった。
その“初”寝返りの様子を撮した動画が届いた。
思わず、本人がそこにいなくても、拍手をしてしまう。
その便利なLINEの機能に、意思の伝達を“楽しく”助ける「スタンプ」と
呼ばれる図案がある。

このところ、長男から届くメッセージに、何と、可愛い初孫の写真を
素材にした「おはよう」「ありがとう」「オッケー」その他のオリジナルの
スタンプが、ふんだんに使われている。
驚いた。

本人に尋ねると、お嫁さんが独自に制作したらしい。
こんなことまで出来るとは。
LINEを搭載したスマホは侮れないぞ(って、今さら気付いているのは
時代遅れの私くらいか。
しかも他の機能は通話以外、ほとんど使う気がない)。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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